ChatGPTに「AIです」と名乗らせる法律 — EUのAI法が8月から動き出す
ペンギン先生、「EUのAI法が8月から施行」って聞いたんだけど、これって何が変わるの?
いい質問だよ。EU(ヨーロッパ連合)が作った「AI法(AI Act)」の中の「第50条:透明性義務」が、2026年8月2日から適用開始になったんだよ。簡単に言うと「AIですよ、って名乗りなさい」というルールだね。
AIが自分から「私はAIです」って言わないといけないってこと?
え、今まではそれをしなくてよかったの?
義務じゃなかったんだよね。良心的なサービスは自主的に表示していたけど、義務ではなかった。でもこれからはEU域内でサービスを提供する事業者は全員やらなきゃいけない。違反したら最大1,500万ユーロ(約24億円)の罰金もあるよ。
それって日本のサービスも関係するの? EUは遠い話な気がして…
日本のサービスでも、EU在住のユーザーが使えるなら対象になるんだよ。だから実質的には世界中の大手AIサービスが対応しないといけない。GDPRというプライバシー規制が世界基準になったのと同じように、EU法がグローバルスタンダードになりやすいんだよね。
「ディープフェイク」って、AIが作った本物そっくりの偽動画のことだよね? それに「AI製」って書かなきゃいけなくなるんだ。
そうなんだよ。特に政治家や著名人のフェイク動画・フェイク音声、ニュース記事のように見せかけたAI生成テキストなどは、表示義務が強くなっているんだ。フェイク情報への対策として重要な意味を持つルールだね。
でも、ちゃんと守られるか心配…。こっそり「AI生成です」を小さく書くだけでもOKになりそう。
するどいね!EU法では「明確で区別しやすい方法で」表示しないといけないと定めていて、隠した表示はNGなんだ。それに、ちゃんと開示した証拠を記録しておく義務も事業者側にある。証拠を出せなければ違反とみなされるしくみになっているよ。
なるほど〜。AI法ってこれで完成じゃないの? もっと厳しいルールも増えるの?
今回の8月施行はまだ「入口」だよ。「高リスクAI」(採用審査・ローン審査・医療診断に使うAIなど)に対するさらに厳しい規制は2027年12月から適用される予定。AI法は段階的に厳しくなっていくんだ。ChatGPTが「私はAIです」と名乗るようになったら、それはこの法律の第一歩だと思ってね。