「被害かも」の段階で相談できる — IPAが企業向け「不正アクセス特別相談窓口」を開設

この記事は時点のニュースです。現在の提供状況とは異なる場合があります。誤りの訂正は随時行います。


「被害かも」のサインから特別相談窓口へ 左のパソコン画面にログイン失敗の増加や知らないアカウントなどのサインが表示され、右のIPA不正アクセス特別相談窓口へ電話・メールで相談する。窓口の支援は被害の可能性の助言、応急処置案の助言、専門業者一覧の紹介、他の相談先の紹介。下段に何も起きていなくても行う3つの点検と、個人の相談先を示す。 「被害かも」の段階から相談できる ログイン記録(ログ) ログイン失敗が多い 知らないアカウント 普段と違う時間 気づいたサイン 相談 電話・メール IPA 不正アクセス 特別相談窓口 企業・組織向け 窓口の支援は「助言」と「紹介」 被害の可能性 を助言 応急処置案 を助言 専門業者一覧 を紹介 他の相談先 を紹介 何も起きていなくても:3つの点検 ①公開アプリ ログ・修正の適用 ②外部サービス クラウド・VPN ③保有データ 必要な分だけ持つ 個人の被害相談は「個人向け情報セキュリティ安心相談窓口」へ
IPAの発表(2026年10月16日)と注意喚起(10月9日)に基づく概念図。オレンジの矢印は会社から窓口への相談を表します。窓口は助言と紹介が中心で、詳しい調査は専門のセキュリティベンダーへの依頼が推奨されています。
ひよこ ひよこ
ペンギン先生、ニュースで「不正アクセス特別相談窓口」って見たよ。何ができたの?
ペンギン先生 ペンギン先生
IPA(情報処理推進機構)が2026年10月16日の13時に開設した、企業や組織向けの相談窓口だよ。不正アクセスや情報漏えいの被害を受けている組織だけでなく、「その可能性がある」段階の組織も対象なんだ。
ひよこ ひよこ
どうして今、特別な窓口ができたの?
ペンギン先生 ペンギン先生
国内の金融機関や通信事業者などで、不正アクセスによる情報漏えいの公表が相次いでいるからだよ。個人情報を多く持つオンラインサービスのシステムが侵入された事例もあるんだ。IPAは中小企業も含めて、被害の可能性を確かめて初動対応することが大切だとしているよ。
ひよこ ひよこ
相談したら、IPAが代わりに調べてくれるの?
ペンギン先生 ペンギン先生
発表で示された支援は、被害の可能性の助言、被害があるときの応急処置案の助言、インシデント対応をする専門業者一覧の紹介、ほかの相談・報告先の紹介の4つだよ。IPAが調査を代行するとは書かれていないね。
ひよこ ひよこ
「被害の可能性」って、どんなときに気づけるの?
ペンギン先生 ペンギン先生
IPAが10月9日に出した注意喚起では、ログの異常を例に挙げているよ。エラーやログイン失敗がいつもより多い、ログイン元のIPアドレスや時間が普段と違う、作った覚えのないアカウントがある、無効にしたはずのアカウントが有効になっている、などだね。
ひよこ ひよこ
何も起きていない会社は、何をすればいいの?
ペンギン先生 ペンギン先生
注意喚起は3つの点検を求めているよ。外部に公開しているアプリの洗い出しとログ・修正プログラムの確認、クラウドやVPNなど利用中の外部サービスの棚卸し、持っているデータの見直しだね。ログはまず直近1か月、次に3か月と段階的にさかのぼるよう勧めているんだ。
ひよこ ひよこ
もしおかしなログを見つけたら?
ペンギン先生 ペンギン先生
すぐにセキュリティインシデントとして扱うのが基本だよ。情報漏えいの可能性があるので、専門のセキュリティ業者に詳しい調査を依頼することが強く勧められているね。何から手を付けるか迷ったら、特別相談窓口で応急処置案などを相談できるよ。
ひよこ ひよこ
私のスマホやパソコンのことも、ここに相談できる?
ペンギン先生 ペンギン先生
この特別窓口は企業・組織向けだよ。情報漏えいの被害に遭った個人の対処や、そのほかの情報セキュリティの相談は、IPAの「個人向け情報セキュリティ安心相談窓口」が案内されているんだ。会社でも、不正アクセス以外のインシデントや普段の予防の相談は「企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口」へメールで、と分けられているよ。
ひよこ ひよこ
今回のニュース、どう覚えておけばいい?
ペンギン先生 ペンギン先生
「被害かも、の段階で頼れる相談先ができた」と覚えよう。ただし窓口は助言と紹介が中心で、詳しい調査は専門業者へ頼む流れだよ。勤め先の担当者に、外部公開アプリ・外部サービス・保有データの3つを点検したか聞いてみるのも一歩だね。

窓口で頼れること・別の窓口へ行くこと

自分が働く小さな会社で、管理画面に「作った覚えのないアカウント」を見つけた場面を想像してみましょう。被害なのか、設定ミスなのか、すぐには判断できません。今回の特別相談窓口は、こうした「被害かもしれない」段階の企業・組織も対象にしています。

2026年10月16日の発表時点の案内は次のとおりです。

  • 対象:不正アクセス・情報漏えいの被害を受けている、またはその可能性がある企業・組織。
  • 受けられる支援:被害の可能性の助言、応急処置案の助言、インシデント対応の専門業者一覧の紹介、他の相談・報告先の紹介。
  • 受付:電話 03-6759-5760(平日9時30分〜17時30分、12時〜13時を除く)とメール。メールアドレスはIPAの特設サイトを参照してください。
  • 個人の情報漏えい被害などの相談:「個人向け情報セキュリティ安心相談窓口」へ。
  • 不正アクセス以外のインシデントや平時の予防的対策などの相談:「企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口」へメールで。

発表と特設サイトには、窓口の終了日や料金の記載はありません。メールは返信が翌営業日以降になる場合があるとされています。また、窓口の支援は助言と紹介が中心です。詳しい調査は、IPAの10月9日の注意喚起でも、異常があれば専門のセキュリティベンダーへ依頼することが強く推奨されています。

何も起きていなくても行う3つの点検

IPAは10月9日の注意喚起で、現段階では特定の製品やサービスの脆弱性を狙った攻撃とは断定されておらず、公表事例の傾向から、外部公開しているアプリやサービス、アカウントの侵害が起点となっていることがうかがえる、と説明しています。そのうえで、次の3点の点検を速やかに行うよう求めています。

  1. 外部公開アプリケーション:社外から使えるアプリやサービスを洗い出し、ログの異常(エラーの出力量など平時との差異)を直近1か月、次に3か月とさかのぼって確認する。部品に未適用の修正プログラムがあれば早急に適用する。
  2. 利用中の外部サービス:クラウドやVPNを含め、部署ごとに使っているサービスを棚卸しし、ログイン失敗の量や、ログイン元IPアドレス・ログイン時間が平時と違わないか、作った覚えのないアカウントや削除・無効化したはずなのに有効なアカウントがないかを確認する。サービスによってログの保存期間が違う点にも注意が必要です。
  3. 保有データ:どんな情報を持っているかを把握し、「不要な情報は持たない」考え方で必要なものだけを残す。

点検で異常が見つからなくても、認証の強化(多要素認証など)やアカウント権限、ログの取得・保存期間の見直しといった継続的な対策が挙げられています。

参考資料

資料本文の確認日:2026年10月18日。

出典・確認した情報

  • 不正アクセス特別相談窓口の開設について(IPAプレスリリース)

    発表日: 2026-10-16 / 確認日: 2026-10-18

    • 2026年10月16日(金曜日)13時00分に「不正アクセス特別相談窓口」を開設。
    • 国内の金融機関や通信事業者などで不正アクセスによる情報漏えいの公表が相次ぎ、個人情報を多く持つオンラインサービス等のシステムが侵入された事例があることを背景に挙げている。
    • 対象は、実際に被害を受けている、またはその可能性がある事象が発生している企業や組織。中小企業を含む企業・組織が被害の可能性を確認し、応急処置などの初動対応を行う重要性を記載。
    • 支援内容は、事象のヒアリングと被害発生の可能性の助言、被害発生時の応急処置案の助言、インシデント対応を行う専門業者一覧の紹介、他に必要な相談・報告先等の紹介の4点。
    • 電話(平日9時30分〜17時30分、12時00分〜13時00分を除く)とメールで受け付ける。終了日・料金の記載はない。
  • 不正アクセス対策特設サイト(IPA)

    発表日: 2026-10-16 / 確認日: 2026-10-18

    • 企業・組織向けの特別相談窓口の電話番号と受付時間、メールの返信が翌営業日以降になる場合があることを掲載。
    • 個人の情報漏えい被害などは「個人向け情報セキュリティ安心相談窓口」、不正アクセス以外のインシデントや平時の予防的対策などの一般的な相談は「企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口」へ案内している。
  • 不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえ、速やかに実施すべき対策等について(IPA)

    発表日: 2026-10-09 / 確認日: 2026-10-18

    • 特定のプロダクトやサービスの脆弱性を狙った攻撃とは断定されておらず、公表事例の傾向から外部公開アプリケーションやサービスの侵害、アカウントの侵害が起点とうかがえると記載。
    • 速やかな点検として、外部公開アプリケーションの洗い出しとログ確認(直近1か月、次に3か月と段階的に拡大)・未適用の修正プログラムの適用、クラウドやVPNを含む利用中の外部サービスの棚卸しとログ・アカウントの確認、保有データの再確認を挙げている。
    • 異常の見分け方として、エラーの出力量など平時との差異、ログイン失敗の量、ログイン元IPアドレスやログイン時間の平時との比較を挙げ、作ったはずのないアカウントや削除・無効化したはずのアカウントの有効化の確認を求めている。
    • 異常を見つけたら直ちにセキュリティインシデントとして扱い、専門のセキュリティ業者に詳細な調査を依頼することを強く推奨。「不要な情報は持たない」の考え方で保有データを見直すよう求めている。