クラウドのデータが消えた — AWSがイランの攻撃で「永久喪失」を認めた日

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マルチAZの想定 vs 実際に起きたこと 通常のマルチAZ(想定) AZ-1 AZ-2 × AZ-3 データ複製 1つが落ちても残りがカバー ✓ データ保全 バーレーン 2026年3月(実際) AZ-1 × AZ-2 × AZ-3 × 複数AZが同時に物理破壊 設計想定を超えた被害 × データ永久喪失 教訓:「クラウドはバックアップではない」 別リージョン・マルチクラウドへの複製で地理的リスクを分散しよう
マルチAZは同一地域の障害には強いが、複数ゾーンが同時に破壊されると守れない
ひよこ ひよこ
ペンギン先生!「AWSのデータが永久に失われた」ってニュースを見たんだけど、クラウドって安全じゃないの?
ペンギン先生 ペンギン先生
衝撃的なニュースだよね。AWSというAmazonが運営する世界最大のクラウドサービスが、イランの軍事攻撃によってデータセンターが物理的に破壊されて、一部の顧客データが完全に回復できないと9月15日に正式発表したんだ。
ひよこ ひよこ
クラウドって、インターネットの向こうの安全な場所じゃないの?
ペンギン先生 ペンギン先生
クラウドも結局は物理的なサーバーが入った「建物」なんだよ。2026年3月、中東で軍事衝突が起きた際に、イランがバーレーンとUAE(アラブ首長国連邦)にあるAWSのデータセンターをミサイルとドローンで攻撃したんだ。建物が破壊されてサーバーが使えなくなった、ということだね。
ひよこ ひよこ
でも「マルチAZ」っていう安全な仕組みがあるって聞いたことがある気がするんだけど、それって効かなかったの?
ペンギン先生 ペンギン先生
そこが今回のポイントだよ。マルチAZは同じリージョン内に複数の施設を用意して、1つが落ちても残りがカバーする設計なんだ。でも今回はバーレーンで複数のゾーンが同時に被害を受けて、「複数ゾーンで分散しても耐えられる範囲を超えた」とAWSが認めたんだよ。世界最大のクラウド会社が軍事攻撃によるデータ消失を認めるのは歴史上初めてのことだと言われているよ。
ひよこ ひよこ
じゃあAWSが悪いの?賠償してくれるの?
ペンギン先生 ペンギン先生
ここで「共有責任モデル」という考え方が大事になるよ。クラウドサービスでは、AWSは「インフラや施設の管理」に責任を持つけど、「データのバックアップや地域をまたいだ複製」は顧客側の責任なんだ。バーレーンのリージョンだけにデータを置いていた企業は、別の場所にバックアップを取っていなかった場合、自己責任という面もあるんだよ。
ひよこ ひよこ
なんか怖いんだけど…どんな企業が被害を受けたの?
ペンギン先生 ペンギン先生
中東の銀行・決済サービス・配送アプリ・企業向けソフトウェアなど、多くの企業が影響を受けたよ。銀行アプリが使えなくなったり、業務データが消えたりと現地では大混乱だったんだ。AWSは攻撃から半年以上経ってから初めて「永久に回復できない」と発表したんだよ。
ひよこ ひよこ
じゃあ、どうすれば安全にデータを守れるの?
ペンギン先生 ペンギン先生
「3-2-1バックアップルール」という原則があるよ。3つのコピーを、2種類の異なる場所に、1つはオフサイト(別のクラウドや別の地域)に置くという考え方だよ。AWSを使うなら東京リージョンのデータをフランクフルトにも複製する、あるいはGoogle CloudやAzureに同時保存するマルチクラウド戦略が有効だね。
ひよこ ひよこ
戦争って特殊な話で、日本には関係ないかな?
ペンギン先生 ペンギン先生
戦争は特殊だけど、地震・台風・洪水・大規模火災もデータセンターを丸ごと壊す可能性があるよ。日本でも大きな自然災害が起きたら同じことが起こりうるし、「物理的なリスク」を考えて地理的に分散してバックアップを取ることは、すべての組織に必要な備えなんだ。
ひよこ ひよこ
「クラウドはバックアップではない」ってことなんだね!スマホの写真も気をつけなきゃって思ってきた!
ペンギン先生 ペンギン先生
そうだよ!個人のスマホ写真も「クラウドに自動バックアップしてるから安心」と思いがちだけど、そのクラウドサービスが突然終了したり障害が起きたりすることもあるからね。大切なデータは複数の場所に分散して保存することが、個人でも企業でも基本なんだ。今回の事件は、それを世界規模で証明してしまった歴史的な出来事だよ。