AWS・Azure・Google Cloudの違い:同じ小さな仕事で選ぼう
☕ 同じお店のアプリを、3社で考える
- 代表的なサービスを役割で見分けられる
- 同じ条件で見積もりを比べる入口がわかる
最初の問い:「何を動かしたい?」
3社のサービス名を全部覚える前に、架空のお店のWebアプリを考えます。商品を表示し、画像を保存し、必要なら注文を記録するアプリです。
まず、計算する・保存する・通信するという役割を分けます。ログインを管理する権限の仕組み、運用する人の監視や更新も必要になります。これは設計を考えるための例で、3社の性能を実測した結果ではありません。
似た役割のサービスを見つける
表は2026年10月9日に公式資料で確認した代表例です。同じ行でも、仕様や料金が同一という意味ではありません。
| 役割 | AWS | Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 仮想サーバー | Amazon EC2 | Virtual Machines | Compute Engine |
| 画像などの保存 | Amazon S3 | Blob Storage | Cloud Storage |
| 関数の実行 | AWS Lambda | Azure Functions | Cloud Run functions |
Google Cloudの関数は現在、Cloud Run functionsの名称で案内されています。古い記事のCloud Functionsという名前だけで探すより、現在の公式案内と、使うAPIや世代を確認すると迷いにくくなります。
仮想サーバーなら、OSやアプリの管理を自分側で行う範囲があります。関数やマネージドサービスを使う場合も、コード、権限、データ、監視などの責任は残ります。「サーバーが見えないから運用は不要」ではありません。
まず試す:料金表を見る条件をそろえる
課金されるリソースを作る前に、各社の料金計算ツールで同じ条件を入力してみましょう。以下は練習用の条件です。
目的:小さなお店のWebアプリ
OS:Linux
計算:2 vCPU・メモリ4 GiBを候補にする
稼働時間:月100時間
ディスク:20 GiB
外向き通信:月1 GiB
地域:必要な機能を使える地域から選ぶ
地域やインスタンスの種類、性能保証、CPU世代などが違えば、同じ数字でも同等の環境とは限りません。これは最適な構成を保証するものではなく、見積もりの項目を見つける練習です。
計算結果と一緒に、通貨・地域・確認日・割引の前提を控えます。サーバー本体だけでなく、ディスクや外向き通信などが別の費用になることを説明できれば、最初のゴールです。見積もりは請求額の保証ではありません。
自分に合う入口を選ぶ3つの手掛かり
- 周りの環境:会社や授業の指定、既存のアカウント・権限、相談できる人を確認します。
- 必要な機能:使いたいDB、AIモデル、連携先、リージョン、運用方法に対応するかを調べます。
- 続けられる運用:料金を確認する人、アクセスを管理する人、障害時に対応する人を決めます。
「AWSは万能」「Google CloudだけがAI向け」「AzureはWindows専用」という決め方では、条件を見落とします。学習の最初は1つで役割と操作を覚え、ほかのクラウドで対応するサービスを見比べる方法もあります。
実際に作る前の確認
無料枠は対象や期間、超過後の扱いを確認します。AWS Budgetsなどの予算通知には、利用から請求反映までの遅れもあります。通知を置いたことだけで、上限を超える課金が必ず止まるわけではありません。
作るリソースと削除する手順を先に決めましょう。VMを停止しても、残したディスクやほかのリソースの料金は別に確認が必要です。企業用アカウントなら、練習用の権限やルールも守ります。
次に学ぶなら
1社の具体例で進めるならAWS入門、Google Cloudの操作ならGCP入門へ進めます。サーバーの役割を先に整理したい場合は仮想マシンとコンテナの比較がつながります。
参考資料
- Google Cloud:サービス比較 — 類似するVM・ストレージの対応
- Google Cloud:Cloud Run functions — 関数の配信と実行
- AWS:Amazon EC2 — 仮想サーバーと課金の考え方
- Microsoft:Azure Virtual Machines — Windows・Linuxの仮想サーバー
- Google Cloud:Compute Engine — 仮想サーバーとネットワーク・ストレージの費用
- AWS:Budgets — 予算通知と請求反映の遅延
- AWS:EC2の状態と料金 — 停止中にも残るEBSなどの料金