ITILの始め方 — 「直す・原因を調べる・変える」を分けて考える
予約できない! 3つの目的で考える
- 障害対応と原因調査の目的を分ける
- 変更のリスクと確認方法を考える
- 教材の版と資格の条件を確認する
最初のゴール:予約サイトの困りごとを分類する
架空の「ひよこ予約サービス」で、お客さんが予約を完了できなくなったとします。これは用語を使い分けるための例で、ITILがこの順番や解決策を一律に指定しているわけではありません。
| やりたいこと | 考え方 | この例での行動 |
|---|---|---|
| 予約できる状態へ戻す | インシデント管理 | 影響を確認し、既知の回避策で復旧を試す |
| なぜ繰り返すか調べる | 問題管理 | ログなどから原因や条件を調べる |
| 改善を失敗しにくくする | 変更の管理 | リスク・承認・確認・戻し方を決める |
| お客さんと期待をそろえる | サービスレベル管理 | 必要な時間帯や品質を話し合う |
例えば復旧だけを急いで再起動を繰り返すと、原因が分からないまま再発することがあります。一方、原因が分かるまで何もしなければ、利用者の困りごとが続きます。今の影響を抑えることと、将来の再発を減らすことを分けて考えるのが入口です。
紙に書いてみよう
- 利用者は何ができずに困っている?
- いま取れる回避策と、誰に相談するかは?
- 原因として調べることは何? まだ仮説なのはどこ?
- 設定を変えるなら、どう確かめ、問題があればどう戻す?
この練習では実システムの変更は行いません。分類に迷ったら、行動の名前だけでなく何を目的としているかで考えましょう。
ITILの考え方と、教材の版を区別する
古い教材の「戦略・設計・移行・運用・継続的改善」という5つのライフサイクルを、現行版の全体像と同一視しないようにします。ITIL 4ではサービスバリューシステムなどの考え方が使われ、Version 5はそれらの考え方を引き継ぎつつ製品・サービスやデジタル体験を扱います。
ITIL 4の6つのバリューチェーン活動も、すべてを固定の順番で一度ずつ実行する「6ステップ」ではありません。実際の仕事に合わせて活動を組み合わせる視点が大切です。
これから資格を学ぶなら
現在はPeopleCertの公式資格体系と、受けるFoundationの版・言語・試験範囲・費用・更新条件を先に確認します。試験名の版と教材の版をそろえましょう。「まず旧版を取れば必ずよい」「誰でも数週間で合格」とは言えません。
ITIL 4保有者にはFoundation Bridge (Version 5)という差分学習の選択肢もあります。Bridgeの受験条件と、上位モジュールへ進む条件は同じではありません。既存の資格を持っている場合は、公式FAQと希望するコースの条件を照らし合わせます。
運用を技術と結びつけるならPrometheus入門、変更を小さく試す例ならBlue/Greenデプロイの仕組みへ進めます。
参考資料
2026年10月9日確認。
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PeopleCert — ITIL Qualification Scheme — 現行の製品・サービス管理と資格体系
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PeopleCert — ITIL FAQ — Version5の継承・プラクティス・移行条件
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PeopleCert — Foundation Bridge (Version5) — 差分学習と受験条件
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PeopleCert — Problem Management — 原因と回避策の管理
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PeopleCert — Change Enablement — リスク・承認・スケジュール
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PeopleCert — Practices 2023 — 利用者視点でのサービス復旧