PrismaとDrizzleの違いは?型安全性・SQL・移行方法を比較
比較する前にPrismaの版を確認する
以下の比較表とPrismaのクエリ例はPrisma ORM 7向けです。 2026年10月4日に確認した公式資料は、Prisma 8をリリース候補版(RC)、7を引き続きサポートする版として案内しています。正式版の提供予定と、現時点で利用できる機能は分けて確認します。新規導入では現行版のリリース状況を確認してください。
Prisma 8ではcontract.prisma、prisma contract emitなどへ用語・コマンドが変わり、クエリAPIにも変更があります。「Prisma」という名前が同じでも、7の手順をそのまま8へ当てはめることはできません。公式の7→8対応表で、必要なDB・機能と移行手順を確認します。
Prisma 7を維持する場合はprismaと@prisma/clientを7系に固定してください。公式資料は、版を指定しないCLI導入では8が選ばれる場合があると注意しています。既存プロジェクトの版はnpm ls prisma @prisma/clientで確認できます。
Prisma 7とDrizzleの比較表
| 観点 | Prisma ORM 7 | Drizzle ORM |
|---|---|---|
| 定義の置き場所 | schema.prisma | TypeScriptのテーブル定義 |
| 型の利用 | クライアントを生成 | TypeScriptの定義から推論 |
| クエリの書き方 | モデルと条件オブジェクト | SQLに近い構成のAPIなど |
| 変更SQLの管理 | Prisma Migrate | Drizzle Kitなど |
| 接続 | 直接接続にはDB対応アダプター | DB・実行先に応じたドライバー |
| 性能の確認 | 実際のSQL・接続・負荷で計測 | 同じ処理・条件で計測 |
以下は、age列を持つUser/usersの定義と接続が済んでいる前提の、書き方を比較する断片です。セットアップ全体のコードではありません。
// Prisma ORM 7: 生成済みクライアントを使う
const adults = await prisma.user.findMany({
where: { age: { gte: 20 } },
});
// Drizzle ORM: usersは定義済みのテーブル
import { gte } from 'drizzle-orm';
const adults = await db.select().from(users).where(gte(users.age, 20));
型の支援があっても、外部入力の値が正しいか、呼び出したユーザーに閲覧権限があるかは別に確認します。また、スキーマ定義と実際のDBが一致しなければ実行時に失敗します。
マイグレーションは両方ともSQLを確認できる
Prisma 7でも生成されるSQLを確認できるため、「Prismaは中身が見えず、DrizzleだけがSQLを確認できる」という違いではありません。
- Prisma 7:開発用DBで
migrate devを使い、検証した変更を本番・ステージングへmigrate deployで適用します。migrate deployはスキーマのずれを検出するコマンドではありません。 - Drizzle Kit:
generateで変更SQLを生成し、確認後にmigrateで適用する流れを選べます。DBを直接変更するpushとは運用が異なります。
列の削除、型変更、大量データの変換はどちらのツールでも検証が必要です。既存DBへの導入では、現状の定義を取り込み、すでに存在するテーブルを新規作成するような変更を適用しないよう移行履歴を整えます。
サーバーレス・既存DBで確認すること
選定時には、対応DBとメジャー版、実行先のNode.js/Edge、接続ドライバー、トランザクション、同時接続数を確認してください。バンドル容量だけを見てもDB接続の待ち時間やSQLの効率は判断できません。本記事は両者の速度・コールドスタートを独自に測定していません。
SupabaseやPlanetScaleなどのサービス名だけでORMを決めず、実際に使うDBエンジンと接続先の条件を確認しましょう。既存システムの移行では、通常のCRUDだけでなく、複雑な集計やDB固有機能を使う処理も試すと判断しやすくなります。
Prisma 7を維持するときの版指定
Prisma 7の既存プロジェクトで版をそろえる例です。開発用のコピーで依存・ロックファイルの差分を確認してください。
npm install --save-dev prisma@7
npm install @prisma/client@7
npm ls prisma @prisma/client
CIや単発のコマンドでCLIの版が固定されていない場合は、公式案内のようにnpx prisma@7と指定します。すでにプロジェクトに固定済みのCLIを使う運用と、最新版をその場で取得する運用を混同しないことが大切です。
Prisma 8のRCには、ネストした書き込みなど未対応の機能も公式に列挙されています。新しい版だからとそのまま置き換えず、使っている機能と移行ガイドを確認しましょう。この記事の比較表とコード例はPrisma 7を対象にしています。
選び方のまとめ
モデル単位のAPIと生成クライアントを軸に運用したいならPrisma 7、TypeScriptでテーブルを定義し、SQLに近いクエリを組み立てたいならDrizzleが候補です。どちらでも、実際のDB・ドライバー・トランザクション・変更SQLを試してから決めます。
参考資料
確認日:2026年10月4日。Prismaは版別の資料を区別して参照しています。
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Prisma ORM 7:構成、クライアント生成、直接接続の要件。
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Upgrade to Prisma ORM 7:Rust-freeクライアント、アダプター、設定の変更。
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Prisma CLI v7 — migrate deploy:本番向け適用と、実行しない処理。
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Coming from Prisma ORM 7:8で変わる定義・コマンド・API。
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Drizzle — Schema declaration:TypeScriptのテーブル定義。
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Drizzle — Migrations:生成・適用・push・既存DBからの運用。
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Drizzle — Select:select・from・whereによるクエリ。
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Prisma — Release status:7のサポート、8のRC、既存7プロジェクトでの版指定。