【仕組み解説】ブロックチェーンはどうやって改ざんを防いでいるのか — 分散台帳の仕組みを図解


ブロックチェーンのハッシュチェーン構造 Block #1 取引: A→B 1BTC 取引: C→D 0.5BTC 前Hash: 0000... Hash: a3f8... Nonce: 48291 ✔ 正常 Block #2 取引: E→F 2BTC 取引: G→H 0.3BTC 前Hash: a3f8... Hash: 7b2e... Nonce: 73054 ✔ 正常 Block #3 取引: I→J 5BTC 取引: K→L 1.2BTC 前Hash: 7b2e... Hash: e91c... Nonce: 10382 ✔ 正常 ⚠ もし Block #1 の取引を改ざんすると… Block #1 の Hash が変わる → Block #2 の「前Hash」と不一致 → Block #2 以降すべてが無効になり、不正がすぐにバレる!
ブロックチェーンのハッシュチェーン構造
ひよこ ひよこ

ブロックチェーンって「改ざんできない」ってよく聞くけど、どういう仕組みなの?

ペンギン先生 ペンギン先生

ブロックチェーンは、取引の記録を「ブロック」という箱に入れて、それを鎖のようにつなげていく仕組みだよ。銀行のように1か所で管理するんじゃなくて、世界中のたくさんのコンピュータが同じ台帳を持っているから「分散台帳」とも呼ばれるんだ。

ひよこ ひよこ

ブロックの中には何が入っているの?

ペンギン先生 ペンギン先生

各ブロックには大きく3つの情報が入っているよ。1つ目は取引データ(誰から誰にいくら送ったか等)、2つ目は前のブロックの「ハッシュ値」、3つ目は「ナンス」という特別な数値。特に重要なのが前のブロックのハッシュ値で、これがブロック同士をつなぐ鎖の役割を果たしているんだ。

ひよこ ひよこ

ハッシュ値って何なの?

ペンギン先生 ペンギン先生

ハッシュ値は、データを特殊な計算にかけて得られる「指紋」のようなものだよ。元のデータが1文字でも変わると、ハッシュ値はまったく別の値になる。だから、もし誰かが過去のブロックの取引データを書き換えると、そのブロックのハッシュ値が変わって、次のブロックに記録されている「前のハッシュ値」と一致しなくなるんだ。

ひよこ ひよこ

じゃあ後ろのブロックも全部書き換えちゃえばいいんじゃないの?

ペンギン先生 ペンギン先生

そこで登場するのが「マイニング」や「Proof of Work」だよ。新しいブロックを作るには、正しいナンスを見つけるために膨大な計算をしなきゃいけない。1ブロック書き換えるだけでも大変なのに、それ以降の全ブロックを再計算するのは現実的に不可能なんだ。ビットコインだと1ブロックの計算に約10分かかるから、100ブロック分を書き換えるには1000分以上かかる計算になるね。

ひよこ ひよこ

最近「PoS」っていうのも聞くけど、PoWとどう違うの?

ペンギン先生 ペンギン先生

PoSProof of Stake)は、計算競争の代わりに暗号資産を「ステーキング(預ける)」することで、ブロックを作る権利を得る仕組みだよ。イーサリアムが2022年にPoWからPoSに移行して、消費電力を99.9%以上削減したことで話題になったんだ。PoSでは不正をすると預けた資産が没収されるから、経済的なペナルティで安全性を保っているんだよ。

ひよこ ひよこ

でも、みんなで結託して嘘のデータを書き込んだりできないの?

ペンギン先生 ペンギン先生

いい質問だね。それが「51%攻撃」と呼ばれるもので、ネットワーク全体の計算力(PoWの場合)やステーク量(PoSの場合)の過半数を支配できれば、理論上は不正ができてしまう。でもビットコインのネットワークを51%支配するには何兆円もの設備投資が必要で、成功しても不正がバレた瞬間に暗号資産の価値が暴落するから、経済的に割に合わないんだ。

ひよこ ひよこ

ブロックチェーンって暗号資産以外にも使えるの?

ペンギン先生 ペンギン先生

もちろんだよ。スマートコントラクトという仕組みを使えば、「条件Aを満たしたら自動的にBを実行する」という契約をブロックチェーン上にプログラムできるんだ。例えば、荷物が届いたら自動で代金を支払うとか、保険の条件を満たしたら自動で保険金を出すとか、人間の手を介さずに契約を実行できるよ。

ひよこ ひよこ

へぇ、お金以外にもいろんな使い道があるんだね!

ペンギン先生 ペンギン先生

そうなんだ。サプライチェーン管理では食品の産地から店頭までの流通経路を記録して偽装を防いだり、NFT(Non-Fungible Token)ではデジタルアートの所有権を証明したり、行政分野では不動産登記や投票システムへの活用も研究されているよ。ブロックチェーンの本質は「信頼できる第三者なしに、参加者同士で信頼を作れる」ことなんだ。

ひよこ ひよこ

でもブロックチェーンにも弱点はあるの?

ペンギン先生 ペンギン先生

あるよ。まず処理速度の問題があって、ビットコインは1秒間に約7件しか処理できない。クレジットカードのVisaが1秒間に数千件処理できるのと比べるとかなり遅いんだ。また、一度記録したデータを消せないから、個人情報を誤って記録すると「忘れられる権利」との衝突が起きる。さらに、秘密鍵をなくすと資産に永久にアクセスできなくなるリスクもあるね。

ひよこ ひよこ

ブロックチェーンってすごいけど万能じゃないんだね!

ペンギン先生 ペンギン先生

そのとおりだよ。「すべてのデータをブロックチェーンに載せればいい」というわけじゃなくて、「複数の組織間で改ざんされたくないデータを共有したい」ときに真価を発揮する技術なんだ。中央管理で十分なケースもたくさんあるから、使いどころを見極めることが大事だね。